公共交通網が発達したとはいえ、高齢化が進み、自分の足では自分の地域ですら移動のできない方が増えています。目まぐるしい経済環境の変化に伴って、地域のインフラともいえるスーパーマーケットが移転したり、大型店舗の参入によって消滅することも珍しくなく、そのことが地域の方々のライフラインを途絶えてしまうリスクもあるのだと、この1年で知りました。
そんなリスクを行政のサポートを待っているだけでは、生活が危険に晒されてしまう。
だったら、地域の住民で移動を支え合える仕組みを創ろう、というのがライドシェア事業です。
シェアリングエコノミーが加速度的に広がっている中で、移動のシェアリングサービスといえばカッコいいですが、要は乗り合いバスのボランティア版と言いましょうか。
「山田さんの車を水曜日に借りて、午前中は田中さんが運転して、午後は鈴木さんが運転して、決まったルートを循環するから、乗りたい人はその時刻に合わせて乗りなよ」
というものです。
ここ茅ヶ崎では、神奈中バスという大手のバス会社が交通網を引き受けてくれているものの、やはり民間企業なので採算が取れない運行ルートを確保することができず、この茅ヶ崎においても交通空白地帯というものがあります。茅ヶ崎の南西地区といわれる一体です。
この辺りは、畑とゴルフ場と学校があるのですが、住宅も決して多くなく、露骨に空白地帯といわれています。とはいえ、ロケーションは海のそばで良いところですし、車社会の茅ヶ崎では自動車さえ乗れれば何の不自由もありません。
しかしながら、公共交通を利用せねばならない人たちがいることも事実であり、最近では高齢者の自動車運転によって生ずる交通事故に対してセンシティブな空気が社会に広がっているため、ますます萎縮の傾向です。
そのような状況において、誰かが取り残されてしまうような地域であってはならない。地域の課題は、誰かではなく、地域で解決を目指していこうというのがこの事業です。
冒頭にご紹介した車両は、菊名の「おでかけバス」という事業で使用されている車両です。ボランティアによって運営されていて、地域の有志の方が車両を貸し出し、他の有志の方々が週に一度くらい運転ボランティアをしています。
このような仕組みを茅ヶ崎で実現するために、現在関係各所と調整中です。
私もこのプロジェクトのお手伝いをさせて頂いている関係で、今後この取り組みについても積極的に発信をしていきたいと思います。地域でプロジェクトを立ち上げる難しさやコツ、またその醍醐味なんかもシェア出来たら幸いです。
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【編集後記】
行政書士をしていると実に様々なお仕事に出会います。その発想やルールを一つ一つ丁寧に向き合っていくと、思わぬ事業アイデアに出会える機会に巡り合ったりします。
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