サステナブルな経営に向けて(中小零細企業こそ意識すべき視座)

久しぶりの更新です。

2022年に入ってから、色々と修練が重なっています。1月初めに私が新型コロナウイルスに罹患してしまい、そこから妊娠中の妻、1歳の娘にも感染、さらには妻の実家にも感染してしまい、体調もそうですが精神的にも1月はかなりダメージを受けました。

切り替えて2月。今度は社員がコロナに感染してしまい、スタッフ全員を出社禁止にしました。子育て世代が多いLink-Upは、コロナとの関係では子供経由でのリスクも顕在化しました。

そんなこんなで様々な案件がスタックしてしまい、その対応に追われるがままに3月に突入。事業再構築補助金(第5回)の締め切りにも追われる中で、大口の顧客にもコロナの影響が大きく及んでいて、立て続けに入金がなくなるという事態に(数百万円にも及びます)。

そんな怒涛の3ヶ月間を振り返る一つのタイミングに、今日から3日間の連休。

私は体調を崩している1歳の娘が寝ている横で、この記事を描きながら「サステナブルであること」について考えました。

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きっかけはこの報告書です。

新しい資本主義は成長と分配の好循環を掲げていますが、「成長」の源泉には定量的に測れるリソースだけでなく、文化や社会との関係性、人材といった定性的なリソースが欠かせず、その定性的な資産を企業価値として適正に評価できることが必要です。

では、その定性的なリソースとしてまず何を考えるべきなのか?ですが、ポイントは「気候変動」と「人的資本」です。

気候変動について

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が提言をした4つの柱(「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」)を各社がオーナーシップをもって分析・評価をしていくことがまず大切と言われています。

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人的資本について

企業の価値向上のためにどのような人材戦略を定め、そしてKPI設定していくのか、が大切とのことです。

いずれも大企業のための議論が前提です。

でも、大企業のための議論が、私たちのような中小零細事業者で無視して良いかと言えばそうではないと思います。

たとえば、冒頭で書いた今年の弊社の状況というのは、コロナの流れが3年目に入った状況であるにもなお対策が十分に取れてなかったことが露呈していますし、業務がスタックしているのは人材戦略や社内システムの欠如にあるわけです。そして、貸倒れリスクもゼロにはできないにせよ、最低限の対応はできたはずです。

気候変動についても同じです。私どものようなマイクロ事業者が気候変動を止めることは残念ながらできません。しかし、気候変動がもたらすリスク(コスト高に基づく料金の値下げ圧力や、海辺の茅ヶ崎に従業員が集中しているという立地リスク)もまた、弊社に内在しています。これらにどのように向き合って、対策を取るべきか。取引先が財務状況が悪化して倒れてしまう可能性も十分ある中で、弊社の財務状態はどうあるべきなのか?ということを考えていくと、上記の議論をただ大企業のものと無視していたらサステナブルではないですよね。

業務の知識や経験を社員に積んでもらうことはもちろん最重要ですが、それだけでは足りなくて、適切なガバナンスができるのは経営者(リーダー)だけですから、視座を高くもって向き合わなくてはなりません。