ニーズの最上位である「渇望」に目を向ける

サービス内容を検討するとき、ニーズがあるかどうかを検討するのが一般的です。しかし、ニーズがあるから購買行動に出るわけではありません。自分の中にある数多くのニーズの中から最優先となるニーズに人は対価を支払って手に入れようとするのです。私たちが目を向けなければならないのは、「渇望」ではないかと思います。

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FRIDAY’Sにて

これはごく当たり前の話なのですが、人は「必要なもの」になんでもお金をかけられるほど余裕はありません。必ず優先順位があって、「本当に必要なもの」にお金をかけるのです。

この「本当に必要なもの」というのは、冷静な視点で該当する場合と、一時的に該当する場合と2つがあると考えています。

冷静な視点で該当する「本当に必要なもの」とは、例えば、新たなビジネスを立ち上げるときにどうしても割かなければならないコストなどです。私が関与するものでいえば、「許認可」などが挙げられます。飲食店を立ち上げるなら「飲食店営業許可」を取る、建設業で大きな工事を受注するために「建設業許可」を取る、運送会社を立ち上げるために「運送業許可」を取る、民泊営業をしたいから「旅館業法上の簡易宿所」の許可を得るというように、避けて通れないニーズについては「本当に必要なもの」として、それに伴う費用を支払います。

そのため、このようなニーズを満たすサービスを探します。通常であれば、「なる早・なる安(なるべく早くて、なるべく安い)」のサービスを探すでしょう。このとき、クオリティが高いと謳ったところで、成果物についてのクオリティに差が無く、ましてやそのプロセスについて依頼者に比較できるほどの情報量が無い以上は、結局価格やスピード感が大切になります。

一時的に該当する「本当に必要なもの」というのは、ある種の「欲求」になります。例えば、私はお酒を飲んだり食事をするのがすごく好きなのですが、テレビを見ていてすごく美味しそうなお店が紹介されると、今すぐに行きたくなるわけです。これは冷静に考えれば、コストをかけて、時間をかけて、そのお店に行って得られる栄養価だったり品質に鑑みれば不合理な選択であることがほとんどです。にも関わらず、一時的に私は「その店に行きたい!!」という高いレベルの欲求が勝り、消費行動に走ります。このときは、よほどの場合じゃ無い限りは価格の問題ではありません。その欲求を満たせるから行くわけです。

行政書士としてのサービスの提供を考えるときは、前者のニーズについては「スピード」「価格帯」が基本的に全てです。それに加えて依頼者との相性です。基本的には相性はなかなか努力でカバーするのは大変ですから、スピードと価格帯を徹底して追求すれば士業の市場で失敗することはないでしょう。他方で、後者のニーズについてはそれぞれの「独自性」に関わってきます。依頼者の強い欲求(まさに「渇望」するレベル)を見抜き、ズバッと満たせるようなサービスを構築することができれば、採用されます。

特に、ひとりで仕事をするような私のようなスタイルであれば、後者のような存在になることが、作業量に潰されることなく高いクオリティの人生を送るために必須であろうと思います。独立して6年目を迎える今、そこを突き詰めなければと思います。

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【編集後記】

先日の大怪我から10日ほど経ち、なんとか平常運転に近づいてきました。骨折部分はまだまだ時間がかかり、動きは遅くなってしまうのですが、なるべく安静にしながら負担をかけすぎないで仕事を進められるスタイルをつくるチャンスと考えてます。

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