視野を広く・志を高く。ひとり仕事の私が青年会議所で活動するワケ

国連の地球儀のマークを唯一使うことが許されている団体。青年会議所。世界117カ国で計16万人もの会員がおり、日本国内では3万6000人が活動しています。驚くべきは、その会員はすべて40歳以下であるということ。私は今年で入会して5年目ですが、改めてこの活動の意義と価値を整理したいと思います。

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先日開催された理事会中に@iPhone

青年会議所の活動目的は青年世代の会員に積極的な自己変革(ポジティブチェンジ)を促すために、自己開発の機会を提供し、世界中のリーダーたちのネットワークを構築することにあります。そして、その先にあるのは、奉仕の精神によって社会のため、人のために働き、世界の恒久的な平和を実現することにあります。

このように書くと、超敷居が高いし、これを読んで「よし、青年会議所に入ろう!」と思う人はまぁいないでしょう。

私が青年会議所に入会した理由

私が入会したのは2013年。2012年に誘われてしばらく経ってからでした。

私を青年会議所に誘ったのは、同じ茅ヶ崎に住む行政書士の大先輩。彼は茅ヶ崎青年会議所のOBでした。

行政書士として独立して、まだまだ走り始めだった頃にその先輩にご挨拶をさせていただき、その場で「お前、JC入れ!」と言われました。JCとは、青年会議所のことです。

なんだそれ?と思った私は、笑顔で受け流しました。面倒臭いことに巻き込まれたくないし、仕事以外にも当時NPOで活動していた私としては、これ以上の時間を捻出することは無理だと思ってたんですよね。

翌朝、その先輩から電話が入りました。

「昨日の件だけど、これから茅ヶ崎JCの人間から君に電話が行くから!」

なんか、嫌だなぁと思って待っていると数分後に電話が。何か勧誘なのかなぁと思っていたのですが、とても物腰柔らかな方からの電話でした。その電話の主は、翌年茅ヶ崎JCの理事長を務められた方でした。

「一度話だけでも聞いてもらえませんか?」

まぁ話を聞くだけなら、と思って日程調整をお受けしました。

「僕たちは、茅ヶ崎をもっと良くしたいと思って活動しているんですよね。メンバーの一人一人が茅ヶ崎に住んでいたり、茅ヶ崎で仕事をさせてもらってるから、このまちがこれからさらに良くなっていく必要があると考えています。」

面談当日、自己紹介を終えて早々に、目の前の青年会議所メンバーの方が言いました。

茅ヶ崎のことは好きだけど、まちづくりはNPOでやってる。青年会議所でなければならない理由がない。これが私の最初の感想でした。

「とりあえず、一度みんなで話す説明会を兼ねた飲み会があるから、来てみませんか?」

私は承諾し、2012年の12月に開催されたその説明会を兼ねた飲み会に参加しました。

飲み会当日、知らない人たちばかりのところに行くのは気が重いなぁと思って参加してみると、やっぱり知らない人ばかり・・・

狭いお店にたくさんの青年会議所メンバーらしき人が座っていて、トイレにも行きにくそうな席に座らされました。

そうこうしているうちに、名刺交換ラッシュ。一瞬にして15枚くらいの名刺が集まりました。

それからというもの、私の席の隣に代わる代わる人がやってきて青年会議所の魅力を語られるという2時間。笑

なんだか良くわからないけど、すごく熱い人たちだなぁ、エネルギーがあるなぁ、という強烈な印象を持って帰りました。

それ以来、青年会議所に入会するかどうかを、同業の先輩たちや、NPOで一緒に活動している大ベテランの先輩たちに相談しました。

「いやぁ、JCなんて二代目の集まりだからやめたほうが良いよ」という人もいましたし、「JCに誘われるなんてすごいわね!」という人もいました。ただ、みんなJCのことは詳しくは知らず、私も迷っていました。

そんなある日、大先輩からこんなことを言われました。

「誘われるには理由があるんだよ。誘われるうちが花だよ。」

その先輩は、大企業の最前線で事業を進めていた現役時代を終え、今は市民活動に従事するシニアの方です。今は市民活動で活躍される傍らで慶応大学でも勉強されている。そんな方がこういうんです。

「てっちゃんね、物事には理由があるんだよ。青年会議所は若い世代の人たちが一生懸命活動していると聞いている。その活動の仲間になってほしいと声をかけられたのは、偶然じゃないと思うんだよね。」

なるほど、と私は変な納得をし、「とりあえずやってみるか」と思って入会を決意しました。

青年会議所に入会して変わったこと

あれから5年間。なんだかあっという間です。たくさんの尊敬できる方々にお会いし、そんな方々に刺激を受け、気が付けば自分が茅ヶ崎青年会議所でも中堅的な立場で後輩として入会された皆さんに指導をさせていただたり、一緒になってチャレンジをしたり、組織の将来について考える立場になりました。

5年前の入会を迷っていた時期からすると、すっかりJCマンになった感じです。

私が入会させていただいた公益財団法人茅ヶ崎青年会議所というところは、現在66名の会員数で、茅ヶ崎商工会議所内に事務所があります。最初は事務所に行くのも精神的なハードルが高かったのですが、今では完全に行きなれた場所になりました。

年会費は11万2800円。決して安くはないですが、それ以上の価値が十分あると思っています。その価値を並べてみると、

  • 茅ヶ崎JCの活動でOBを含めると300人くらいはつながる。
  • 茅ヶ崎で活躍されている様々な諸団体の人たちとつながる。
  • 小中学校の校長先生や、市長をはじめとする行政職員の方々ともつながる。
  • 近隣地域のみならず、全国各地のメンバーとつながる。
  • JC内で様々な役職を毎年経験するのですが、プレイヤーとしての立場、企画する立場、音頭を取る立場、マネージメントをする立場など、実に多くの経験をものすごいスピード感で経験できる。
  • この経験は、茅ヶ崎だけでなく、出向制度によって全国規模でも経験するステージが用意されている。
  • 世界の会議や大会、事業に参加することで、国際的な相互理解のセンスが磨かれたり、考え方の幅がものすごく広がる。
  • 青年会議所はどこまでも「配慮」を求められる場所であり、会議の設営の仕方、人をお招きするあり方、おもてなしのあり方、お願いの仕方、お礼の仕方など挙げていってはキリがないのですが、そういうのをものすごく厳しく見られています。ですので、気が付くとかなり自分でもそういう点にこだわりが出てきていたりします。
  • スケジュール管理を学べる
  • 世界の動きを学べる
  • 実に多くの優れた講演や、研修の機会がある。
  • 何よりも学んだことを活かす機会が無数にある。
  • 果敢なるチャレンジに基づく失敗は、大いに喜ばれる。

人によって、青年会議所で活動して得られる価値は異なると思いますが、こういった価値を個人として享受していくためには、地域に目を向けて、青少年向けの事業やメンバーの育成に励むプロセスを大切にしなければなりません。言い換えれば、地域や青少年、メンバー育成という他人のために一生懸命行動することで、上記のような価値が個人として得られる仕組みになっています。

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これからの5年間の目標

青年会議所は40歳になる年に卒業を迎えます。先日35歳になった私は、5年後の2022年12月31日をもって卒業となります。

この2022年12月の卒業時に、私は何を思うか。この時までにどんな経験を積んでおくべきか。そんなことを先日考える機会がありました。

「北川君はさ、卒業までにどうしたいの?」

脈略無く、突然問われたので、しかもシンプルすぎる質問に私は慌ててしまいました。

卒業時にどうなっていたいんだろう・・・

最初の5年間で青年会議所のことを俯瞰する形で、3割程度分かった気がしてます。だからこそ、次の5年間はきちんと目標を持って活動したい。この5年間という期間で、自分の本業もともに成長するシナリオを描こう。

そうやってスタートさせたのが、先日リリースした「スモールビジネス顧問契約」でした。これは第一弾の取り組み。青年会議所では「業務効率化」をまず実施。5年後、どうなっていたいか、それまでに何を経験しておくべきか、この点についてはもう少し考えていこうと思います。

これから青年会議所に入る方へ

以上の振り返りがお役に立つものかどうかは分からないですが、私としては、どうせ入会されるならば早い方が良いとお伝えしたいなと思います。

どの団体でもそうですが、団体に所属するからには、団体の論理というものに服する必要があります。つまり、団体のルールですね。そういう団体のルールや、伝統だったり、団体としての目標を、まずは自分の中に落とし込んでいかないと、「大変だなぁ」という気持ちや、「面倒だなぁ」というネガティブな感情が先走って、なかなか前向きになれないんですよね。

私の場合、1年目は何となくスタートして、メンバーの名前を覚えたり、ルールをちょっとずつ覚えたりして、2年目はいろんな活動に参加して、自分なりに楽しんで経験値を増やしました。このときに、シンガポールで開催されたアジアのメンバー向けの合宿にも日本人唯一の参加者として加わりました。無鉄砲だったけど、自由な立場だったのですごく刺激を浴びました。そうやってから、委員長という職に就き、ようやくJC運動というものを実践するようになったわけですね。ここまでで3年です。そして、昨年は総務委員長という、JCの組織基盤と徹底して向き合う立場になり、それをやり終えたことで、ようやく茅ヶ崎JCというものを理解し始めた気がしています。ここで4年が経ちました。

このように時間がかかります。ここまでのプロセスでもすごくたくさんの学びや、出会いがあったと思いますが、たぶん、自分のステージをもう3段くらい引き上げないと、ここでの学びの機会を活かしきれないのではないかと感じています。

つまり、やっぱり5~6年程度では足りないんだと思うんです。3年前に出会った、この団体で世界中を飛び回っている方に一言、「君、卒業までで10年か。ちょっと短いね。」とサラッと言われました。

いやいや、そんなことないでしょ、ってその時は思ったのですが、今考えるとたしかに10年というのは私がもう3段くらい自分を引き上げるには時間が足りないかもしれないと感じ始めています。

自分がどこに向かって、何を目指すのか。家族のこと、仕事のこと、いろいろあるし、みんなそれぞれのスタンスがあるから正解なんてないですが、もし何かを得よう、もっと自分を引き上げようと思うならば、まずは入会して活動してみることをお勧めします。3年やって、何も感じなければ、やめれば良いわけですし。

でもきっと、3年やって何も感じないなんてことはないと思いますよ。

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【編集後記】

昨晩は妻のご両親と弟夫婦と共に誕生日パーティーをやりました。みんな本当に素敵な方々で、こういう大切な人たちを守れる人間にならねばと思います。

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コメント

  1. 比屋根拓 より:

    こんにちは。北川さんのブログにたどり着いた沖縄県の行政書士比屋根拓といいます。私も公益社団法人宜野湾青年会議所で活動しております。JCが私の生きる道を決定づけたと思っております。いつの日か北川さんと合流できたらと思いご連絡を差し上げました。よろしくお願いいたします。