私は仕事のほとんどの部分をMacbook air(13インチ MacBook Air 1.6GHzデュアルコアIntel Core i5)でこなしています。2016年4月に使用し始めて一年が経過したところで、行政書士業でMacの使い勝手を振り返ってみます。
そもそも、なぜ私がMacを使い出したかというと、海外で活動する同世代の友人らが、軒並みMacbook airを使っていた、というところからスタートしています。いつでもどこでもMacを持ち歩き、カフェに入ったらPCを開き、電話すらPC上のSkypeを使っている彼女らを見ていて、かっこいいなぁと思うのと同時に、もっと進んでいるはずの日本でここまで外出先でパソコンを駆使して仕事している若者っていないよなぁと、ちょっとした焦りのようなものを感じました。(ちなみに、彼女らは20歳そこそこから30歳くらいです。)
別に行政書士業だからどうとか、国がどうとかではないですが、何となく「すごいなぁ」と思う人たちがMacbook airを使っていたから、という程度の理由です。
行政書士業でMacは使えるのか?
さて、本題に戻りますが、行政書士業とMacの相性を考える場合に、まずは私がどのような仕事をしているのか、という説明を簡単にさせていただきます。
私の仕事は大きく分けて4つになります。
- 各種法人の設立手続きの代行及びコンサルティング
- 許認可の申請手続きの代行及びコンサルティング
- 契約書作成や資金調達のための事業計画書の作成代行及びコンサルティング
- 外国人の就労VISAの取得手続きの入国管理局への取り次ぎ及びコンサルティング
これら以外にもお仕事はしていますが、事業の柱を大別すると上記のようになります。
(1)各種法人の設立手続きについては、Macで9割OK。電子認証だけWindowsを使用。
私の仕事の2割ほどが法人の設立への関与になります。この手続きの中には、定款認証という公証役場での仕事があるのですが、このとき印紙税の節約のために電子定款を作成します。要は、紙媒体ではなくて電子データで定款をつくり、それをプリントアウトしないでデータごと公証役場で認証を受けるのです。
それ自体は全く専門的ではなく、ちょっとしたソフトと電子証明書を揃えておけば誰でもできるものです。
この仕事をするときに、私はMacには電子署名をするソフトを導入していないため、Windowsで対応しています。
ただ、元となるデータはMacで作成しているため、電子署名をする部分だけWindowsでやっているわけです。
面倒臭いか、と問われれば否定はできませんが、一瞬で終わる作業なので、事務所のWindowsパソコンで構わないと思っています(過去に1日で会社を作りたいというオーダーがあったときに、無理やり対応したことがありましたが、そういう場合はWindowsですべて賄った方が良いです。そういう仕事はもうしませんが。)。
(2)許認可の申請手続きについては、建設業の手続き以外はMacでOK。ただし、5割は建設業の方々なのでWindowsを多く使用。
私の仕事の6割は企業の許認可取得のサポートです。これらは行政書士としてコアの部分になりますので、様々な業務ソフトが販売されており、私は建設業についてWindowsで導入しています。
私の場合、これだけはどうしてもWindowsでなければならないため、Macでは足りません。Macの中にWindowsを入れるか、Macから事務所のWindowsを遠隔操作すれば対応できますが、今のところいずれもやっていません。
これらについては、Macを買い換えるときに対応させるつもりです。
とはいえ、仕事のほとんどは業務ソフトに向き合う時間ではなくて、計画を練ったり、お客様を訪問して説明したりする時間ですから、モバイルはMacで十分です。外出先でソフトをいじるなどするならばWindowsも必須になってくるでしょう。
その他の許認可については、Macですべて対応できています。
(3)契約書作成・資金調達サポートはMacで100%OK
いわゆる企業法務と呼ばれるものは、議事録や契約書のチェックや作成、資金調達、債権確保など多岐に渡りますが、これらはMacですべて対応できます。
ネックがあるとすると、ExcelをMacで使うと、Windowsで使うよりもモッサリとした感じになるのがストレスで、この原因が使用しているMacのスペックの問題なのか、MacとMicrosoftの相性の問題なのかは調べていません。
ガチンコでExcelを使う場合にはWindowsを導入した方が良いでしょうね。
(4)外国人の就労VISA手続きは、Macで100%OK
外国人の入国管理局に関する手続きも多くお預かりしています。
これらは基本的にはWordとExcelがあればできますから、PCは何でもOKです。むしろ、Macで書類作成にこだわって、入国管理局の審査官が読みやすい・判断しやすい書類を作成するのもやりがいを感じたりできます。
どんな仕事をしていくか?という選択の問題
雑駁ですが振り返ってみますと、Macでほとんど対応できますが、建設業と電子定款の作成段階でWindowsが必要という状況です。
ただし、これらの手続きについても、今後は自分の仕事から手放す予定なので、100%Mac対応になる日は近いと思います。
結局のところ、パソコンをMacにするかWindowsにするかの選択は、自分の仕事のスタンスをどのように選択するか、という問題に帰着します。
私の場合は、いつでもどこでも仕事ができる環境づくりをしたかったので、パソコンのOSに縛られる仕事を脱却したいと考えて、徐々にシフトしています。手放した仕事については、「やりません」で終わらせるのではなく、別の信頼する人にお願いをしたり、これからリモートワーク的な雇用をしていくため、役割分担でカバーしていく予定です。
働き方改革の話題はサラリーマンのワークライフバランスの話です。
フリーランスや経営者にはそのまま当てはまりません。フリーランスや経営者は、どのような仕事をどのように対応していくか、という選択の話になってきます。
自分の人生をどのように選択するかの決定権が、フリーランスや経営者にはありますし、その決定権をないがしろにしてしまうと、不安定な立場ゆえに家族が苦しみます。そうならないように、徹底した働き方へのこだわりを持ちましょう。
ちなみに、今回スタートさせていただきましたスモールビジネス顧問契約は、背景として「働き方」への考えがあります。それは、私自身の働き方もそうなのですが、クライアントになっていただく小規模企業の働き方への影響も考えてのことです。
この顧問契約は、ChatWork(チャットワーク)というサービスを用いるのですが、場所に縛られず、いつでも相談できる環境を作ることで、経営者ないしは事務担当者の時間をさらに有効に活用していただき、生産性を高めるきっかけになれば、という考えがベースになっています。
主なサービス内容は、書類作成のアドバイスやチェック、相談業務というものですが、補助金やITツールの提案を含ませていただきました。すべては、効率的・効果的に活動をしていただき、会社内部の環境も変わっていくようなきっかけになればと思っています。
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【編集後記】
昨夜は茅ヶ崎青年会議所の理事会でした。この理事会は、時間も長くて意見もするどく、議案を上程する役職者は心身をすり減らして会議に臨みます。だからこそ、この限られた期間内で自分1人では学びきれないような学びを得て、成長につなげることができます。
私はすでに管理者側にいるため、そういう立場は過去のものになってしまいましたが、どうやって後輩のみなさんが有意義に成長できる環境を整えられるかが、今後の私の役割だと思っています。
そういう意味で、本文のような働き方についての考えを、青年会議所で生かしつつ、青年会議所で学ぶことを本業で生かしたいと思います。
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