昨年11月から今年の1月まで募集されていた小規模事業持続化補助金。その二次募集(追加公募)が始まっています。前回申請損なった会社、ちょうど販路開拓に向けて環境整備を検討している会社の皆様は、チャレンジをお勧めします。
今回は、前回複数の申請に関与させていただいた結果から考えた、申請のポイントについて書きたいと思います。

朝一のカフェは空いています@J.S.FOODIES
前回の申請で5社の申請に関与させていただきましたが、通過率は60%でした。この結果はすごく残念でしたが、通過させられなかった会社については、今回リベンジをさせていただきます。
今回の申請採択件数は、6000件を予定されているようです。多いか少ないかは定かではありませんが、このチャンスは逃すわけにはいきません。期限は5月31日(水)です。書類の到達締め切りがこの日ですので、申請日は遅くとも前の週の金曜日(26日)と考えておきましょう。
(参考記事)
小規模事業持続化補助金、チャレンジのすゝめ
現状認識ができているか、大前提
補助金を交付する立場からすれば、どんな会社にでも無制限に出せるわけではありません。限られた予算の中から、「より有効に活用してくれそうな会社」を選定して、補助をします。それは、補助金によってさらに活躍してくれれば税収が上がるからです。
では、どのような会社が「より有効に活用してくれそうな会社」と言えるでしょうか?
これは何もテクニカルな話ではなく、「売り上げアップ」という目的に対して、「効果的なアプローチ」を分析できているかどうかです。この分析ができていれば、ほぼ申請はうまくいくと思います。
たとえば、自分の体重がずいぶんと太ってしまって、夏までに10キロ落とす必要があるとします。この場合、「10キロ落とす」という目的に対して、「効果的なアプローチ」はどのようなものでしょうか?
- 食事制限をする
- 間食をなくす
- ジョギングをする
- 筋トレをする
- 食事の中身を変える
というようなアプローチが考えられます。
では、だれもがこのアプローチでうまくいくのか?というと、そうではありません。既に食事制限をしている人にとっては、食事制限をただしているだけでは目的達成はできそうもありません。また、既にジョギングをしまくっているにも関わらず10キロ落とさなければならない状況にある人は、ただジョギングをするだけでは目的達成は難しいでしょう。
それぞれが「現在どのような取り組みをしていて」「にも関わらず何故目的達成ができていないのか」という分析が必要になります。

初めてやってきましたJ.S.FOODIES。ソファが心地よくて、また来たいと思います。
ポイントは具体的な「課題の客観的な特定」
この分析は、実は私たち日本人の多くは得意ではありません。なんとなく「知られる必要があるのでホームページを立ち上げる」とか、「看板をつくる」ということで終わってしまうのです。
もちろん、これらの取り組みも重要ですが、より深堀した理屈が必要になります。
たとえば「ホームページを立ち上げる必要がある」という結論になる場合には、「ホームページで見てもらえれば自社のサービスを買ってもらえる」という論理が成立していなければなりません。では、その論理をどのように証明しましょう?
一番わかりやすいのは、様々なアンケート結果や第三者からのアドバイスです。
自分で「私たちにはこれが必要です!」と書くだけでは、それは「あなたがそう思っているだけでしょ?」って言われてしまうだけですが、「皆がこれが必要と言っています」と書いてあれば、「なるほど、それならばやってみましょうか!」という話になります。
上記のケースは、「認知度を上げる」という取り組みです。
前回の申請で、ホームページをブラッシュアップしたい、という要望がありました。その会社では、「なぜブラッシュアップしたいのか?」という点で明確な課題認識と、第三者からの声がきちんと用意されていたため、どのようなホームページにしたいかという点の情報はアバウトでも申請が通過しました。
このように、小規模事業持続化補助金において、課題の特定が大切で、しかもそれが独りよがりではないということが重要なのです。

ハワイで買ったタンブラーにコーヒーを入れてもらいました。「これハワイで買ったんですか?」と尋ねられて、「そうだよ」という会話を生むのも楽しいですね。
コンサルティングを受けた方がスムーズだけど、自社で申請しましょう
わたしの事務所では、様々な補助金申請のコンサルティングもおこなっていますが、この補助金申請については、自社で向き合って申請するのが良いと思っています。
これは、この補助金申請をきっかけとして、分析のクセをつけることや、それに対して効果的アプローチを模索すること、そしてそれを第三者に伝えるというプロセスを経営者として経験することが、確実に補助金以上の効果があると考えるからです。
申請書類がきれいにまとまっていると、なんとなく上手くいきそうな雰囲気はありますが、それを第三者が丸まま作ってみても、説得力は欠けますし、本質的とは言えません。
何かを失うチャレンジではないため、一つの機会として、チャレンジされることをお勧めします。
また、この申請のプロセスでは商工会議所・商工会の職員が間に入ることになっています。彼らが入ることで、上記のやりとりのキャッチボールがなされ、実質的な成長につながる、ということを目的としているのだと思います。
どうしてもその時間が作れなかったり、書類作りをするのが苦手だったり、パートさんに任せるけどどうにも不安だ、という会社さんについては、わたしの事務所でもお手伝いをさせていただきますので、ご一報ください。
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【編集後記】
茅ヶ崎はいよいよお祭りシーズンに突入します。来週は湘南祭という大きなお祭りがあり、私が所属する茅ヶ崎青年会議所では子供たちに遊んでもらうためのサンドアートやお神輿(みこし)を準備しています。大変ですが、みんな一生懸命準備していて、そういうプロセスがやっぱりおもしろいですね。
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